ミロコマチコ展「ねこ そら もよう」
2024年最後となるSTUDIO 894 ギャラリーの展覧会は、動物や植物を躍動感たっぷりに描くアーティストミロコマチコさんを迎え、新作となる猫にまつわる瀬戸焼の作品を中心に展示しました。
今までにないフォルムや大胆な発想で、瀬戸焼の新たな魅力を引き出した作品たちを通し、”ミロコマチコが描く猫の世界”を存分にお楽しみいただきました。
■アーティストメッセージ
わたしの描く猫を立体にしたい、という連絡をもらったのが、2年前のことでした。招き猫ミュージアムを訪れたり、中外陶園さんで様々なサンプルを眺めたりしながら、想像を膨らませましたが、絵から立体になる過程をどうしたらいいのか、さっぱりわかりません。しばらく悩んだ後、「いっそ、自分で作ってみよう!」
そう思って粘土をこね始めました。そしてできたのはなんともいびつで、おかしな佇まいの猫でした。でもわたしらしい、猫。そのサンプルを送って、細かな調整を何度も重ねてもらい、形になっていきました。くるくる首が回るのは、立体だからこそできる表現。それぞれの柄に合わせた素材を試行錯誤するのもとても楽しい時間でした。中外陶園さんの丁寧な手作業で、たくさんの猫たちが生まれていく様子は、胸にグッとくるものがあります。わたしの手の跡がたくさん残った猫たちが、それぞれの場所へ旅立ち、愛されますように。
展覧会に合わせて、1点ものの猫のタイルなども作りました。長年の日々の中で生まれてきた猫の絵や、グッズも猫だらけ。ぜひ、猫にまみれに来てください。
ミロコマチコ
■会期
2024年11月1日(金)~12月25日(水)
瀬戸の地、そしてSTUDIO 894を運営する中外陶園のスタッフとの会話や、ものづくりに触れる中で生まれた、ミロコマチコさんならではの独創的な猫の立体作品や絵付けタイルをはじめ、これまでに描き上げた原画が並びました。今回初挑戦となる瀬戸焼の作品の中には、中外陶園の工房にこもり、一枚一枚異なる絵柄を丹念に描き上げた貴重な1点もののタイル作品も登場。また、会場内では、書籍やカレンダー、ステーショナリーなどのミロコマチコさんのオリジナルグッズも販売しました。
トークイベント開催
また、本展関連イベントとして、ミロコマチコさんをゲストに迎え、11月4日(月)14時よりトークショーを開催しました。当日の模様は、STUDIO 894の公式YouTubeアカウントでもライブ配信。 また現地会場でトークショーにご参加の上、ミロコマチコさん関連商品をご購入いただいた方限定のサイン会も開催いたしました。
■実施日時:2024年11月4日(日)14:00~
■STUDIO 894 公式YouTubeアカウント からトークショーのアーカイブをご覧いただけます。
ミロコマチコ瀬戸焼置物・タイル
■置物
(左から)「からっかぜ」「ゆうやけ」「おぼろづき」
ミロコさんの手の跡はそのままに、首がぐるぐる回るという立体ならではの面白さと愛らしさを持った猫の置物です。
■タイル
(上段左から)「しろ3匹」「しっぽぐるぐる」 「しましま2匹」
(下段左から)「みずたま」「くろ5匹」
ミロコさんが描かれた5枚の原画が瀬戸焼のタイルに。また、原画はギャラリーにて展示を行いました。
※1/16(木)より中外陶園オンラインストアにて販売予定
ミロコマチコ
1981年大阪府生まれ。画家。いきものの姿を伸びやかに描き、国内外で個展を開催。絵本『オオカミがとぶひ』(イースト・プレス)で第18回日本絵本賞大賞を受賞。ブラチスラバ世界絵本原画ビエンナーレ(BIB)で、『オレときいろ』(WAVE出版)が金のりんご賞、『けもののにおいがしてきたぞ』(岩崎書店)で金牌を受賞。その他にも受賞歴、著書多数。第41回巌谷小波文芸賞受賞。本やCDジャケット、ポスターなどの装画も手がける。2020年から、展覧会「いきものたちはわたしのかがみ」が全国美術館を巡回。2019年より南の島に移住し、自然の動きと密接なつながりを感じながら、見えないものの気配や生命の煌めきが濃厚に漂う作品を生み出している。
URL:https://www.mirocomachiko.com/
Instagram:@mirocomachiko
@mirocomachiko_news